ひとつぶの麦の物語

一粒の麦

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「土曜日にバゲット10本とバターロール20個、お願いね~!」と、茶安別のチッカさんから注文が、配達先の藤島さんからも、「チッカさん、注文してますよね?」と確認され、頑張って早起きをしなければと、少しプレッシャーを感じる。土曜日は他の注文や、店売りとの焼きの兼ね合わを考えなければならないからです。近所のおばあちゃんから、娘さんが旅行で留守にしているため、朝食に焼きたてのベーグルを届けて欲しいとの野暮用の注文もこなし、何とか無事にオープンすることが出来ました。7年目を歩み出した「ひとつぶの麦」、今一度、初心に返り店名「ひとつぶの麦」の由来を思い出してみました。33年勤めた農協を辞め、先の見えない第二の人生に不安で悩んでいたころ、支えてくれたのは、妻であり、子供達であり、親友でした。そんな時、本棚にあった一冊の本に目が止まり、手にとって開いてみたのが聖書でした。30年以上も前かと思いますが、農協に勤めてまだ日の浅いころ、仕事で知り合った方がクリスチャンで、暇な時に読んでみたらと、別れ際に渡してくれたのですが、読んでも理解が出来ず、かと言って捨てるわけにもいかないので本棚に仕舞っておいたものです。その後、夕刊で三浦綾子読書会を知り、参加するため釧路の開催場所に行くと、そこは教会で、その教会の牧師も読書会に参加していました。読書会の回数を重ねるうちに、歳も同じというこもあって牧師とも仲良くなり、主日礼拝(毎週日曜日に行われる礼拝)への参加も勧められるようになりました。ある日、読書会の森下先生(読書会の会長)が、主日礼拝でメッセージ(聖書の学び)をするので来ないかと誘われ、本棚から聖書を取り出し、勇気を振り絞って教会に行くことを決意いたしました。そして、その時に礼拝で読み上げられた聖書の言葉が、ヨハネの福音書12章24節の「一粒の麦」だったのです。森下先生が、「一粒の麦がもし地に落ちて死ななければ、それはひとつのままです。しかし、もし死ねば、豊かな実を結びます」と言って、右手を高々と頭上に振り上げた瞬間、研ちゃんの目から涙が溢れ出し、パン屋を始めようという誓いで、胸を熱くしたのを記憶しています。私たち夫婦がパンの職人になれ、店をオープンすることが出来たのは、まさに神様の導きであり、神様が行った奇跡です。これからも神様への感謝と祈りを忘れず、お客様に美味しいパンを、幸せのパンをいっぱい食べていただく事が、「ひとつぶの麦」という店名(天命)を授かった、私たち夫婦の使命なのかもしれません。
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教会
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