ひとつぶの麦の物語

以心伝心

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昨年の暮れから、雪も少なく穏やかな日々が続き、このまま春を迎えるのでは、いや、迎えてほしいといった、甘い期待感みたいなものを抱いていました。その期待感の裏には、昨年の暴風雪と大雪に対する強い警戒感と、それを避けたいとの願いの表れだったのかもしれません。しかし、その儚い願いは暴風雪とともに消え去り、北海道の厳しい冬の現実を悟らされることとなったのです。
18日(月)の夜から振り出した雪は、時間が経つにつれ大雪となり、19日(火)、風と雪はその勢いを増していきました。当然、こんな天気の中、街を歩く人影も少なく、パンを買いに来るお客様はいないだろうと、臨時休業の看板を架けることにしました。20日(水)、雪は弱まったが以前と風は強く、午前2時半、今日も仕事は休みだねと、和ちゃんと話し合いました。しかし、午前4時半を過ぎると、二人とも仕事のことが気に掛かり出し、少しでもパンを作ろうかということになりました。まさに以心伝心!ひとつぶの麦のパン作りに対し、夫婦で同じ考えを持つことはとても大切なんだと気づかされました。正直言って、お客様の顔を見たとき、パンを焼いて正解、店を開けて良かったなあと思いました。多分和ちゃんも同じ気持ちで、お客様に接していたことと思います。

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